「悪霊島」 原作のネタバレあらすじ

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「悪霊島」は横溝正史氏の
最後の長編作品で、
登場人物が多いミステリーです。

それゆえ
映像化されると原作とは
ずいぶん違う内容になっています。

筆者としては是非とも
原作の「悪霊島」を
知ってもらいたいと書きました。

ネタバレになりますので、
未見の方は注意してくださいね。

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プロローグ

時は昭和42年。

金田一耕助
瀬戸内にある刑部おさかべ島出身の
億万長者・越智竜平から
人探しの依頼を受け岡山県に来た。

そこで旧知の磯川警部
浅井はるという老婆が
殺害された現場に案内される。

はるは刑部島の出身で
もぐりの産婆をしていたが、
誰かを強請っていたらしい。

殺される前にはるは
磯川警部に助けを求める
手紙を送っていたのだ。

現場には刑部神社を匂わすものや、
ヒッピー風の若者が立ち去った
という情報もあった。

それから磯川警部は
思いもよらぬ情報をくれた。

 

金田一が探していた男・青木
どこかの崖から海に落ち、
瀕死の状態でみつかり
ダイイングメッセージを残していたのだ。

「あの島には恐ろしい悪霊が
取り憑いている…
ぬえの鳴く夜は気をつけろ……」

なんと不気味な!

鵼とは日本の妖怪で、
「平家物語」などでは猿の顔、
狸の胴体、虎の手足を持ち、
尾は蛇の姿をしている
などと書かれている。

鵼

それでも金田一は、
調査のために刑部島へと渡るのだった。

 

悪霊島

刑部島は
平家の落人の末裔である
刑部家が支配している。

しかし、近年寂れる一方の島に
越智竜平がレジャー産業を興し、
刑部神社にも多額の寄付がされ、
7月の6・7日の祭礼には
たくさんの人たちが島を訪れた。

刑部神社の神主は刑部守衛

妻はという絶世の美人で
神社のひとり娘のため
守衛は入り婿になり、
3代続けての婿養子となった。

ふたりの間には真帆片帆という
双子の娘がいるようだ。

金田一は島で唯一の宿、錨屋に逗留し
主人の刑部大膳にもてなされる。

大膳は巴の祖父の双子の弟で、
なにかと巴たちを気遣っているようだった。

神楽踊り

神楽踊り始まり
祭りが盛り上がってきた時、
神主の守衛が殺される。

竜平が寄進した金の矢
刺し殺されてしまった。

 

金田一と磯川警部が調査を始めると、
過去に3人の男が島で行方不明に
なっていることを嗅ぎつける。

昭和23年に神楽大夫の妹尾松若
33年に荒木清吉という置き薬行商人、
36年には人形遣いだった山城太市

 

それぞれの関係者が島に来ている。

そして浅井はる殺害現場で目撃された
ヒッピー風の若者に似た三津木五郎もいる。

彼らと守衛殺しは関係があるのか?

 

金田一や警察が守衛殺しの犯人を
探求しているところにまたもや死体が!?

 

双子の妹・片帆が無残な姿で発見された。

 

越智竜平の過去

調べていくと金田一は
依頼人・越智竜平の過去を
知ることとなった。

かつて竜平と巴は恋仲で
逢引の合図に鵼の鳴き声を使っていた。

鵼の相図を聞くと、
巴は逢瀬の場・千畳敷へと
駆けつけていたのだ。

鵼とは
体長30cmほどのトラツグミという鳥で、
夜に細い声で
「ヒィー、ヒィー」
「ヒョー、ヒョー」と鳴き、
気味悪がられている。

トラツグミ

なぜ隠れて逢引をしていたかというと、
刑部島の網元だった越智家と
平家の末裔の刑部家が
敵対していたからだ。

当然のようにふたりは駆け落ちをする。

しかし、竜平の従兄弟・吉太郎
密告によってふたりは
連れ戻され別れさせられる。

その後竜平はアメリカに渡り、
成功すると廃れてきた島を
レジャー開発すると戻って来たのだ。

動機は巴のため?

島民の竜平に対する心象は
決して良くはない。

一方、巴は
連れ戻されてからしばらくすると
一時島を離れていた時期があったので、
「子を産みに行った」と噂した。

 

三津木五郎の父親は?

守衛殺しの犯人として
三津木五郎が逮捕された。

現場で目撃されたためだが、
五郎は口を割らない。

金田一は五郎が竜平に「お父さん」と
発したのを見かけていたので、
もしかすると五郎は
竜平と巴のこどもではないかと考えた。

そして竜平か巴かをかばっている。

実際、五郎は
竜平と巴のこどもだと信じていた。

しかしそうではなかった。

 

磯川警部は浅川はるから受け取った
手紙のすべてを金田一に託し、
捜査から引いた。

手紙は驚くべき内容だった。

はるはもぐりの産婆をしていて、
子を斡旋していた。

こどもが欲しかった三津木夫婦に
磯川の妻が生んだこどもを渡したのだ。

磯川警部は
死んだと思っていたこどもは生きており、
しかも殺人の容疑者だと知らされ、
苦悶の末の行動だったのだ。

 

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地下の洞窟

次に真帆が行方不明になった。

金田一は竜平と共に
かつての逢瀬の場・千畳敷へ赴き
地下の洞窟・紅蓮洞をみつける。

洞窟

そこで真帆と再会できたが
もっと恐ろしいものを発見する。

骸骨と化したシャム双生児!

その傍らに行方不明の3人の骸骨が
お伽衆のように飾られているではないか。

この子たちこそ
竜平と巴のこどもなのだ。

生まれたばかりのこどもの奇異な姿に
巴は気がふれ殺してしまった。

 


ネタバレ

浅川はるの所で巴が生んだ子は
三津木夫婦に渡されるはずだった。

ところが
事態が変わり不可能と悟ったはるは、
同時に出産していた磯川警部の妻の子を
三津木夫婦に手渡したのだ。

 

巴はシャム双生児を産んでから
狂気と正気の間を彷徨っていた。

別れさせられた竜平の姿を求め、
体格の似た3人の男を誘い
情事にふけ、
挙句に殺してしまった。

 

死体の始末は吉太郎がやった。

巴に陶酔していた吉太郎は
密告の件からは
刑部家の下男みたいなものだった。

この吉太郎は刑部家の
汚い仕事をすべてやってくれていた。

青木に紅蓮洞の秘密がばれると
落人岬から突き落とした。

シャム双生児の秘密で強請ってくる
浅川はるを殺したのも吉太郎だ。

 

女癖の悪かった守衛は巴を竜平に売った。

プライドを傷つけられた巴は
金の矢で守衛を刺すが、
目撃した五郎が
巴を庇うために矢をもっと深く刺した。

 

巴の片帆殺害の動機が弱い。

3人の行方不明者について
なにか知っているようでもあったが、
実の娘に手をかけるとは…

 

吉太郎は紅蓮洞で死んだ。

巴の姿はない。

 

エピローグ

金田一はひとつの推理を竜平に語る。

「進退窮まった巴さんをあなたは殺した。
落人岬なら遺体はみつからない。」

 

 

竜平は黙々とレジャー開発を行った。

 

そして、
殺人容疑が晴れた五郎と
磯川警部が名乗りあう姿があった。

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