金田一版「女王蜂」のネタバレあらすじ 読んでない方はダメよ!

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横溝正史原作の「女王蜂」
人気で何度も映像化されましたが、
その都度ストーリーが変わっています。

中には
「この人死んだらだめでしょ!」って
いう作品もあります。

そこで原作はどんなあらすじなのか
紹介していきましょう。

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女王蜂のあらすじ

ネタバレが含まれていますので、
未見の方は注意してください。

月琴島の美女

伊豆の南方沖に
月琴島げっきんとうという島がある。

 

その昔、
源頼朝と知らずに契りを結び子をなし、
頼朝の妻・政子の逆鱗を恐れ
島に逃げた大道寺家の娘がいた。

 

その末裔が今も月琴島に住んでいる。

 

名は大道寺智子
美しく気高い娘であった。

 

 

昭和26年(1951年)5月。

智子は満18歳の誕生日を迎える。

 

それを機に
東京の義父・大道寺励造きんぞうの元に
祖母と家庭教師の神尾秀子とともに
引き取られることになっていた。

 

智子は月琴島を発つ前に
どうしても見たいものがあった。

南京錠

それは「開かずの間」―

 

大きな南京錠で閉ざされた中で
智子が見たのは、
折れた月琴と古いが
おびただしい血の跡だった。

 

金田一 警告状を見せられる

金田一耕助
高名な加納弁護士から
智子の付き添いを依頼された。

 

加納弁護士は正体を明かしたくない
「覆面の依頼人」の頼みで
大道寺励造に送り付けられた
警告状を金田一に見せた。

 

警告。
月琴島からあの娘をよびよせること をやめよ。
十九年まえの惨劇を回想せよ。
あの娘のまえには多くの男の血が流されるであろ う。
彼女は女王蜂で ある。
慕いよる男どもをかたっぱしから死にいたらしめる運命にある。

 

「あの娘」とは智子のことで
「十九年まえの惨劇」とは
智子の本当の父が
事故死したことを指していた。

 

 

十九年まえの惨劇―
19年前の昭和7年(1932年)7月。

 

当時学生だった
速水欣造(現在の大道寺欣造)と
友人の日下部くさかべ達哉が月琴島を訪れ、
智子の母・琴絵と達哉が恋仲になった。

 

琴絵が妊娠したことを知った達哉が
再び月琴島に来るのだが
崖から転落死してしまった。

 

「覆面の依頼人」は
智子が私生児になるのを恐れ、
励造を琴絵の婿養子にした。

 

つまり戸籍上智子は
励造の娘ということになっている。

 

また、日下部達哉は偽名で
「覆面の依頼人」によって
達哉の正体は伏されたままであった。

 

そして、
智子が5歳の時琴絵は
自ら命を絶ってしまう。

 

それから智子は祖母と
家庭教師の神尾秀子と
月琴島で暮らしていた。

 

神尾秀子は
もともと琴絵の家庭教師だったが
引継ぎ智子の家庭教師もしていた。

 

琴絵の遺言で
智子が18歳になったら
東京に住む励造の所に行き、
婿選びをすることになっていたのだが…

 

第一の死体

月琴島を発った智子一行は
修善寺のホテル・松籟荘しょうらいそうに逗留した。

 

そこには励造の愛人の蔦代つたよ
その息子・文彦(16歳)が待っていた。

 

蔦代は元大道寺家の女中だったが
文彦を生んでも励造の正妻にはならず、
文彦は励造と琴絵の子として届け出た。

 

つまり戸籍上は
智子と文彦は姉弟なのである。

女王蜂系図

 

この松籟荘に
智子、智子の祖母、神尾秀子、励造、
蔦代、文彦、金田一と
月琴島出身の祈祷師・九十九龍馬つくもりゅうま

 

智子の花婿候補の遊佐三郎
駒井泰次郎たいじろう三宅嘉文よしぶみが集まり、
そこへ黒眼鏡をかけた謎の老人と、
これもまた謎の手紙で誘いだされた
多門連太郎たもんれんたろうという青年も集結した。

 

なにかが起きる気配を金田一は感じた。

 

松籟荘の屋上には大きな時計台がある。

 

その時計台に続く階段を
智子が上がって行く。

 

とも子よ。
今夜九時はん、屋上の時計台へ来れ。

新聞の文字を切り抜いた
怪しい招待状に誘われ、
時計室に入ると
遊佐が頭から血を流し死んでいた。

 

その場には多門連太郎もいた。

歯車

 

連太郎は
「殺していない、
ぼくはここにはいられない。」

 

と、言いざま
智子の唇を奪って逃げて行った。

 

 

第二の死体

遊佐殺人事件を境に
松籟荘から姿を消したのは
多門連太郎と謎の老人。

 

そして庭番の姫野東作だった。

 

その姫野の絞殺死体を
文彦が庭の洞窟で発見した。

 

検視の結果姫野は
遊佐より先に殺されたとわかった。

 

死亡推定時刻の直前、
「わたしゃ蝙蝠こうもりを見つけましたよ」
と遊佐と密談していたのを
神尾秀子が目撃していた。

 

つまり犯人は
姫野に弱みを握られ殺したが、
それを遊佐に知られると疑われるから
姫野の死体が発見される前に
遊佐を殺す必要があったのだ。

 

犯人は連太郎か?

はたまた謎の老人なのか?

 

警察の追跡で
謎の老人の正体が判明する。

 

衣笠智仁、衣笠宮殿下であった。

 

 

金田一襲撃される

智子の亡くなった実父、日下部達哉は
死の直前に
「蝙蝠だ、蝙蝠の写真をとってきた」
と言っていた。

 

金田一はそのネガを引き延ばし
皆に見てもらおうと
東京の励造の家にやって来た。

ネガ

7枚ある写真には琴絵たちや
当時月琴島に来ていた
旅役者の一座が写っているだけで
蝙蝠らしきものはなかった。

 

ところが写真に写っている中に
姫野東作をみつけた。

 

「このひとは座頭の嵐三朝あらしさんちょうですわ。」
なんと姫野は月琴島に来ていた。

 

この時点で帰っていればよかったのに、
金田一は勧められるまま酒を飲み
大道寺家を後にしたところを襲われた。

 

咄嗟にかわしたが
転び足を捻挫してしまった。

 

傍らにはソフトボール大の石が!
これで殴られればひとたまりもない!

犯人は本気で
金田一を殺そうとしたようだ。

 

懐にあった写真もなくなっている。

 

つまり金田一を殺してでも
奪わなくてはならない決定的な証拠
写っていたということになる。

 

大道寺家に居たのは
智子、励造、蔦代、神尾秀子、
九十九龍馬、駒井泰次郎、三宅嘉文。

 

この中に犯人がいるのか?

 

 

第三の死体

6月6日。
励造は歌舞伎座で
智子のお披露目会を行った。

歌舞伎座

引用:https://www.shimz.co.jp/

そこには金田一は当然だが
智子、励造、蔦代、文彦、神尾秀子、
九十九、駒井、三宅が居て、
謎の老人・衣笠氏と
多門連太郎も来ている。

 

それは芝居の幕間で起こった。

 

一階の洗面所で三宅
青いチョコレートの包み紙を手に
血を吐いて死んでいた。

 

チョコレートに
青酸カリが仕込まれていたようだ。

 

疑いは三宅にチョコレートをあげた
智子へ向けらた。

 

だが、
あげたチョコレートはすべて
赤い包み紙だったのだ。

 

犯人が智子に罪を着せようとしたのか?

 

第四の死体

智子は「開かずの間」を見てから、
本当の父は
ここで殺されたのだと考えていた。

 

その真偽を確かめたくて、
月琴島出身の
九十九龍馬の所に単身来た。

 

九十九は下心を隠し
智子に聞かせるのだった。

 

「お父っつぁまを殺したのは
おっ母さまだ。
神尾先生が駆けつけた時
あの開かずの間は密室だった。
おっ母さまには
夢遊病のような発作を起こし
何も覚えておらんのじゃ。
とにかくなんとかしなければと、
わしが崖から
死体を突き落としたのじゃ」

 

衝撃的な事実に智子は
泣き崩れてしまう。

酒

そして前もって出された酒には
薬が盛ってあり、
意識が朦朧となっていく。

襲い掛かる九十九に
智子は抵抗するが意識を失ってしまった。

 

意識を取り戻した智子だが、
九十九は殺されていた。

 

背中を短剣で刺され。

 

智子が通された部屋は密室になっていて、
智子と九十九だけしかいなかったのだ。

 

これは19年前と同じではないか。

 

密室で
正気を失っている間に事件が起きた―

 

動揺している智子の耳に
刑事たちの声が聞こえる。

「抜け穴の入り口がみつかった!」

 

再び月琴島へ

「開かずの間」にも
抜け穴があるかもしれない―

 

一縷の期待を胸に智子は金田一に
19年前の真相を突きとめてくれるよう
依頼するのだった。

 

智子、智子の祖母、励造、
蔦代、文彦、神尾秀子。

 

そして金田一が再び月琴島へ渡った。

 

途中金田一は
元嵐三朝一座の男に会い、

 

座員は12人で19年前当時、
月琴島の者だと言って
ひとりの男が混じっていた、という
証言を得た。

 

そして警察とともに金田一は
「開かずの間」に踏み込む。

 

開かずの間の推理

検分の結果、
抜け穴はみつからなかった。

 

しかし、
琴絵が達哉からもらった指輪が
折れた月琴の中から見つかったのだ。

 

これはなにを意味する。

指輪

事件当時琴絵と達哉が
開かずの間に入ってから、
日本間のタンスに指輪があるのを
神尾秀子ははっきりと覚えている。

 

金田一は推理する。

 

琴絵は達哉から
結婚できないことを告げられ、
指輪を返してくれと言われた。

 

発作を起こしながらも琴絵は
指輪を取りに開かずの間を出た。

 

その間に犯人が来て
達哉を殴り殺し逃げた。

 

指輪を取って戻って来た琴絵は
いつものように鍵を閉めた。

 

達哉の方に向き直り惨状に卒倒した。

 

この時琴絵の手から
指輪が月琴の中にすべり落ちた。

 

金田一の推理を聞き、
神尾秀子は青ざめ絶叫する。

 

「みんな、あたしがいけなかったんだわ。
19年前も、今回の事件も
みんなあたしのせいだったんだわ!」

 

と、正面にいた励造をで撃ち、

 

「智子さま、堪忍して…」

 

と、自らをも撃ち
ふたりとも死んでしまった。

 

 

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女王蜂のネタバレ

この先は真犯人や
トリックなどネタバレがあります。


神尾秀子が犯人として
事件は終わった。

しかし
納得のできない智子は
金田一にすがる。

 

「あなたが神尾先生を
信じていらっしゃるということは
いいことです。
でも事件はすべて終わったのです。
何もかも忘れてしまって、
新しい幸福に向かって
前進されるんですな。」

 

そう諭す彼の手には
神尾秀子が携えていた編み物袋が。

 

模様編みの符号から
導かれた暗号は、
アカイケイトノタマ―

 

金田一が赤い毛糸の玉を解いていくと
中から神尾秀子の遺書が出てきた。

毛糸の玉

 

秀子は19年前、
いや20年前から励造を慕っていた。

 

ところが一連の事件の犯人は
励造ではないかと疑いを持ち、

 

殺人鬼の父を持つ智子より
殺人鬼の家庭教師を持った智子の方が
いくらか幸福ではないか、と
罪を被ったのだった。

 

そう真犯人は大道寺励造だった。

 

19年前、琴絵に思いを馳せ、
友人の達哉を殺した。

 

その時は旅役者に混じり、
一座からは島民に見られ、
島の人たちからは役者だと思われるよう
仕組んだが達哉はそれを見抜き
蝙蝠だと表現したのだ。

 

次に智子に恋慕し
男に指一本触れさせまいと
島に帰らせようとしたのが
今回一連の事件だった。

 

姫野と遊佐の密談を聞きつけ
姫野を絞殺し、死体を洞窟に隠した。

 

遊佐の時は
風呂に入っていると見せかけ、
三宅の場合は
手持ちの青酸カリをチョコレートに混ぜ、
三宅のポケットに入れた。

 

九十九の家は
抜け穴を以前から知っていたので、
智子の危機を救えた。

 

唯一救いなのは
自責の念があったのだろう、
励造は青酸カリを常にポケットに入れ
持ち歩いていたようだ。
後日、月琴島にひとり残る智子のもとに
多門連太郎がやって来ると求婚した。

 

そして智子の父・日下部達哉は
実は衣笠宮第二王子智詮ともあきらで、
身分の違いから
琴絵と結婚できなかったのだ、と告げる。

智子は心から泣いた。

 

自分の父は
いやしい女たらしではなかった!
母を弄んだのではなかった!

 

そう、
今まで智子を苦しめていたことから
解放されたのだった。

 

まとめ

この「女王蜂」は横溝先生が49歳、
脂ののった時の作品で
ストーリーはもちろん、文脈、
表現がとてもすばらしく
よくできたものだと筆者は感じます。

みなさんにぜひ原作を
読まれることをお勧めします。

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